2025年度 交流展
「線」を越える「こだま」
日時
2025/6/11-6/17
10:00-20:00
このたび、朝鮮大学校美術科と日本画家による交流展示「ECHO —『線』を超える『こだま』」を開催する運びとなりました。
本展は、長年日本画の世界で制作を続けてきたある画家の、「晩年を、自身のルーツと向き合いながら、在日コリアンの若者たちと対話し、つながりを築きたい」という静かな願いから生まれました。その呼びかけに応えるかたちで、朝鮮大学校美術科の学生たちが参加し、異なる表現・背景・視点が響きあう初の交流展示が実現しました。
展覧会タイトルの「ECHO(エコー)」には、一方的な発信ではなく、響き返すもの=応答・共鳴という意味を込めています。日本画家と学生、過去と現在、日本とコリア、伝統と現代、そして個々の感性と鑑賞者のまなざし——
その間に引かれているさまざまな「線」を、そっと越えたり、にじませたりしながら、作品たちはそれぞれの「こだま」を返しています。
本展には、技法もテーマも異なる多様な作品が並びます。そこに共通するのは、“伝える”よりも“感じあう”という姿勢です。
作品の余白に、色のにじみに、まなざしの揺れに、あなた自身の「こだま」を探していただけたら幸いです。
美術に詳しくなくても、日頃アートに触れる機会が少なくても大丈夫です。
ここは、絵を「見る」場所というより、表現に「耳をすます」ような展示です。
ぜひお気軽にお立ち寄りください。
「ECHO」という名の空間で、あなたの感性がふと震える瞬間を見つけてもらえたら、これ以上の喜びはありません。
2025年度 美術科 研究院
日時
2025/5/20-5/30(24〜25閉場)
10:00-20:00
会場
gallery chodemi 朝鮮大学校美術棟1階
「見えない構造——あなたが見過ごしているもの」
現代社会に潜む「見えにくい構造」——ジェンダーや人種、国家による検閲、日常生活に内在する無意識のルールなど——に対して、各作家が異なる視点から問いを立て、可視化したものです。作品はすべてタブロー形式で構成されていますが、今回の展示では作品そのものよりも、それに添えられたアーティストステートメント(作品の問い、背景、制作意図)を主軸としています。それぞれの作品の背景には、「なぜこのテーマに取り組んだのか」「どんな問いを投げかけたいのか」「どのような手法で可視化したのか」が記されており、その記述こそが今回の展示の核となっています。展示空間は、「問いの連鎖」が生まれるように構成しています。作品とステートメントをたどることで、鑑賞者自身の中にも新たな視点や疑問が芽生えることを願っています。私たちは、アートを通して明確な答えを示すのではなく、問いを共有することを大切にしています。作品を通じて触れる問いは、きっとみなさま自身の中にある感覚や経験ともつながっているはずです。私たちは、鑑賞者とのこの対話こそが、作品を超えて社会と接続するきっかけになると考えています。ぜひ、ご来場いただき、みなさまの共感や発見を共有させていただけると幸いです。